日刊はこはこ

自宅で活版印刷チャレンジ→失敗の巻

2016年1月10日

2020年3月追記 誤解のないように成功事例を掲載しました。

自宅で活版印刷チャレンジ→大丈夫!ちゃんとできたの巻

昨年末「れたぷれ」という商品を購入しました。
「れたぷれ」とは太陽光(紫外線)で製版出来るレタープレス/活版印刷樹脂版作成キットとのこと。
[ミニ]レタープレスコンボキット/レタープレス機/活版印刷機

お正月中に「れたぷれ」で何か創ろうと思っていたのですが、仕事が長引いてしまい、箱から取り出すことなく新年を迎えてしまいました。
新年早々タイミングを逸しそうな勢いでしたが、今年は違うぞ(笑)!
ということで、仕事が落ち着いた年始2週目の週末の夜、ゴソゴソと作業をすることにしました。
今回はその一日目。樹脂製版づくりのレポートです。

さて結論から申しますと・・・大失敗。
何事も初めては上手くはいかないものですなぁ。
次は上手くいくと信じ、その失敗を反省材料として残しておこうと思います。

原稿作成

スクリーンショット 2016-01-09 22.22.16

硬化テスト用なのでここまでしっかりやらなくても良いのかもしれませんが、再現できる範囲が分からないので、シルクスクリーンの時のようにテスト用の版を作成することにしました。(ちなみにソフトはAdobe Illustratorで作成してます。)
硬化テストは以下の検証も兼ねてます。

1.OHPシートへのプリントテスト
・最小文字サイズのテスト(8Q/12Q/24Q 黎ミンLとM)
・最小幅ラインのテスト(0.5pt/0.75pt/1pt/2pt)
・黒の濃度テスト

2.硬化テスト
・硬化時間測定

3.製版テスト
・どの時点で硬化が完了してどこで完成?
・不要な樹脂を取り除く際の力加減は?

OHPシートへのプリント

原稿が出来上がったらプリントアウトします。
今回使用したプリンターはCanon MG-4230。用紙はA-ONE A4サイズOHPフィルム インクジェットプリンタ用(品番27077)を使用しました。
画像ではプリンター名が「Canon MG-4200」となっていますが、機種は「Canon MG-4230」で印刷しています。
ちなみにOSはMacOSX 10.9.5。

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●サイズ調整は100%を選択

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●品位と用紙の種類は「膨潤紙」を選択
●印刷のモードは「モノクロ印刷」を選択

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●カラーオプションの濃度を-5に設定
これはエッジのにじみやインクのこすれを防ぐために設定しています。

DSCF5996
色々試した結果、私の機種ではこの設定が一番綺麗に出力できました。
ちなみに最悪だったのが「普通紙 ふつう」。
インクがかすれる、画像のエッジがズレるはで使い物にはなりません。

OHPシートの加工

「れたぷれ」の公式サイトによると、OHPシート1枚だと黒い部分も光が通ってしまうかもしれないとのこと。
ということでOHPシート2枚重ねで製版することにします。
今回は2枚で製版する事前提でデータを作成しているので、同じ画像を2枚出力しています。シートを重ねる際、できるだけピッタリ合わさるように、データはトンボ付きで作成しました。
DSCF6009
DSCF6003

製版

太陽光で作成できるとの事なのですが、夜型人間の私・・・。
また天候に左右されるのも面倒なので、今回はUVレジン用に使っている機械を利用することにしました。
レジンクラフト スーパーレジンUVクリスタルランプ 36W UVL
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●製版テストは「1分半」「2分」「3分」の3パターンで実施

DSCF6016
●「2分」バージョン

DSCF6024
●1分半バージョン(真ん中)と3分バージョン(右)

製版のテストの結果、文字は24Q L/M共に概ね問題なし。12Qくらいまでなら文字として認識できると思います。
但し漢字で画数が多いものは12Qでは確実に潰れると思われます。
予想外だったのが、アルファベットが小さいわりには綺麗にできている感じです。慎重に流し落とせばなんとかいけそうです。
線は余分な樹脂を流し落とす作業で失敗したためよくわかりませんが0.5ptは無理でしょう。1ptくらいを下限にすればよいと思います。
今回は版の限界はどのくらいになるかを試すテストみたいなものなので、実際に版ができたとしても、小さすぎると圧に絶えられないかもしれません
まあ細かなものを作りたかったら製版会社にお願いしたほうが良いです(笑)

DSCF6028

製版の失敗

恐らく1分半バージョンで良いと思うのですが、余分な樹脂を流す際の作業に問題があったのだと思います。

考えられる失敗の原因

1.水道水の流水で作業した事
流水で洗い流した際、版面を確認しながら洗い落とさなかったのが駄目だったのだと思います。まあ流水で流しながらだと見えないですよねぇ・・・。
2.ブラシで擦りすぎた事
版面が確認できていないのとにかくゴシゴシやりすぎた・・・。当然細かい部分まで流し落としちゃいます・・・嗚呼バカ。
3.版面が小さすぎた事
版面が小さすぎるのと、細かい図柄が密に接しているので洗い流すのが難しいというのもあると思います。
4.乾かす時間の問題
洗い流して大方綺麗になったら、仕上げにもう一度露光しましょう。
あと短気は損気。しっかり洗い落としたら版が透明になるまで待ちましょう。

ということで、まあ雑にやると駄目ですよということですね。
次回はもう少し慎重に作業したいと思います。。。